11年間家族と共に暮らしたビーグルを亡くし、悲しみにくれていた家族のもとにやってきたのが保護犬兄妹あんこ君ときなこちゃん(あんきなちゃん)でした。「この仔たちと縁がなければ今は犬を飼うときではない」とまで考えたママに、あんきなちゃんが家族になってからの新しい発見や幸せな日々についてお聞きしました。
<Photo by あんきなちゃんママ>
あんきなちゃんのうちの仔記念日2017年12月13日
出会い
悲しみの底にいた私は、たくさんの思い出を残してくれたあの命をつないでいきたいと思うようになり、来る日も来る日も取り憑かれたように保護犬サイトを見ていました。そこで見つけたのがあんこときなこだったんです。
野犬の仔が生んだ兄妹犬は、保健所から保護された後、一時預かりさんのところですくすくと育っていました。前の仔を亡くして2ヶ月。まだ早いのでは…と迷っているうちに、一度は他のお宅でのトライアルが決定してしまいます。その時は、なぜか「じゃあ次の仔を見つけよう」という気持ちにはなりませんでした。当時は、この仔たちが駄目なら今は新しい仔を迎える時期ではないと考えていました。
それからしばらくして、この兄妹の里親募集が再掲載されたんです。その時はもう会いたいという気持ちが止められなくなっていました。直前に迫っていた譲渡会も不思議なことに家族全員のスケジュールが合い、みんなで参加することができました。そこには思っていた通りのかわいらしい兄弟犬が待っていました。二人寄り添いながらなんとか生きていこうとしている姿を見て、この兄弟を引き離すことはできないと私たち家族の気持ちは一つになりました。私たち家族は見えない運命の糸に導かれてあんきなと出会ったのだと、今は確信しています。
うちの仔になって
うちに来た当初は生後6か月とまだまだ子犬だったあんきな。天真爛漫のきなこに対して、男の子のあんこは超甘えん坊😚 主人や私がきなこをかまっていると、拗ねてしまって壁の方を向いてしょんぼりしていました。そんな姿もいじらしかったですね。
うちにきてしばらくは、子犬らしいいたずらにも悩まされました。一歳になるまでは、お留守番のたびにトイレシートをびりびりに破いていたので、帰宅時はリビングのドアをあけるまでいつもドキドキでした。ただそうしたいたずらも1歳になるまでにはおさまり、今は兄妹そろってとてもいい子です。
大変だったこと
また、怖がりのせいか胃腸も弱くて1才になるまでは交互に病院に連れて行っていました。当時は片方が具合が悪くなって治ってきた頃に、もう一方が病気になるという感じでした。当たり前のことですが、多頭飼いの場合、治療の手間も費用も倍になります。この時の経験により、家族全員が命を迎える大変さと責任の重さを痛感しました。
幸せを感じるとき
両側をあんこときなこというモフモフに囲まれるのは、私たち家族全員味わったことのない幸せです。主人も嬉しそうで誰よりも多く散歩に行ってくれます。一人っ子の娘も、学校に行く時には必ずあんきなに「行ってきます!」と声をかけますし、普段もことあるごとに兄妹のように話しかけています。
寝るときも家族みんな一緒ですし、旅行やイベントも必ず犬と一緒に楽しめるものを考えるようになりました。最近はバーベキューやキャンプに行くことも増えてきました。お出かけ先でも、あんこときなこはちゃんと空気が読めるんです。人間の食べ物をもらえないことや、食事中は遊んでもらえないことがわかっているため、みんながご飯を食べ終わるのを待ってそばに寄ってきます。生活ルールをきちんと理解した上で、全力で甘えてくる姿を見ると「ああ、家族になったんだな」とあらためて感じます。
これからのこと
きなこは存在そのものが癒しになっていますし、あんこはとてもIQが高く私の話をじっと聞いてくれます。多頭飼いをしたことで、兄妹でもそれぞれ個性があることを初めて知りました。ただいつも兄妹でいるせいでしょうか、ドッグランでは他のワンちゃんとあまり上手に遊ぶことができません。今後は少しずつお友達を増やしていきたいですね。また車酔いを改善するために、今は少しずつ距離を伸ばして、車に乗れば楽しいところに行けるという経験を増やしています。
保護犬の場合、将来どれくらい大きくなるのか、どんな病気にかかりやすいか、わからないという不安がある一方で、優しく穏やかな仔が多く、家族になることで驚くほど豊かな時間をもたらしてくれます。うちの場合は、血統などにはこだわらず、縁のあった仔を兄妹で迎えて今があります。今後はより多くの方にそうした保護犬の魅力を知っていただき、日本でも保護犬を家族に迎えることが当たり前になることを祈っています。
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