あの仔のヒストリー』に登場いただいた保護犬飼い主の方々のお話を聞いていると、ワンちゃんの実家である保護団体と良好な関係を築いている方が少なくないことがわかります。そういう方は、保護犬特有の困りごとなどは譲渡元の保護団体やボランティアさんに相談すれば解決できます。でも、今の世の中、保護犬をビジネスにしている個人や団体も少なからず存在し、譲渡後のサポートを期待できないケースが増えてきています。また、できるだけたくさんの命を救いたい保護ボランティアと、赤い糸でつながったこの仔を幸せにしたいという飼い主とでは考え方にずれが生じ、信頼関係が崩れてしまうこともあります。
うちもそうでした。
ノアはうちに来た日からずっとおなかを壊していました。今までとは環境がガラッと変わったのですから無理もありません。それでも飼い主としてはアレルギーではないか、ドッグフードが合わないのではないかと、少しでも状況を良くするために、いろいろ情報を集めたり、獣医さんに連れていったりと手を尽くしました。
そんなときにノアの譲渡元から子犬の一時預かりをして欲しいと連絡があったんです。
その時にノアがお腹を壊していることを話すと、その方は
「ごめんね、ハズレだったね」となんの悪気もなくおっしゃいました。
これには呆然としてしまいました。
多くの保護犬をレスキューしている方から見ると、当たり、ハズレという発想が生まれるのかと。
その後、子犬の一時預かりにも協力しましたが、話をするたびに何かが違うと感じるようになり、今では疎遠になっています。
困ったときに相談しても、目指すゴールが違うせいで納得のいく答えが得られなかったことが一番の要因です。
それからは困ったことがあると、近所にいる頼もしい保護犬飼い主の先輩方に相談して、難局を乗り切ってきました。
飼い主どうしだと、目の前のこの仔を幸せにしたいというゴールが一緒なので、アドバイスが適格で一つ一つの言葉が心に刺さります。
この『うちの仔倶楽部』も、譲渡元とうまく信頼関係が築けなかった飼い主さんが気軽に相談できる場所になったら嬉しいです。
そのためにも今後は質問コーナーや掲示板といった機能を増やしつつ、もっとたくさんの人に見てもらえるような工夫をしていきますので、どうぞ長ーい目で見守ってください!